平成28年度 国保中央病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,345 197 39 43 95 140 348 496 474 170
当院は10歳未満の患者数が全体の40%、60歳以上の患者数が全体の45%を占めております。年齢別の傷病につきましては、10歳未満では気管支炎などの呼吸器系疾患が多くなっております。10代から40代では患者数は少ないものの、骨折、虫垂炎や腸炎などの疾患が多くなっております。50代、60代では胃や大腸などの消化器系の疾患が多くなり、70代以上になると肺炎などの疾患が多くなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 50 14.86 11.06 2.00 72.60
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 34 49.32 21.25 32.35 86.15
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 27 8.74 9.19 3.70 60.37
内科で最も多い症例は、胆管(肝内外)結石、胆管炎関連、2番目に誤嚥性肺炎、3番目に虚血性腸炎の疾患が多くなっております。胆管(肝内外)結石、胆管炎関連は、肝内外の胆管において腫瘍性病変や結石などによって生じた閉塞を改善させるための治療に対する入院です。誤嚥性肺炎は、患者さんの多くが高齢者の方で、重症化しやすいため、長期の入院になることが多くなります。また、当院は地域包括ケア病棟を有しており、その病棟で医療を継続しながら在宅復帰を目標にしたリハビリを行っているため、平均在院日数が全国値よりも長くなっています。虚血性腸炎は、大腸への血液の循環が悪くなり、大腸粘膜が虚血となり炎症や潰瘍が生じる疾患です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030270xxxxxxxx 上気道炎 216 4.94 4.83 0.93 2.54
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 216 5.55 6.02 0.00 2.63
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 174 4.78 5.50 0.57 4.36
小児科の入院症例は大部分が感染症であり、1番多い症例は、咽頭炎や扁桃炎などの上気道炎が多くなっております。2番目は急性気管支炎などの呼吸器疾患であり、3番目はノロウイルスやロタウイルスなどによる胃腸炎が多くなっており、とくに冬季はこれらの感染症による乳幼児の入院が増加してきます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 17 3.94 7.89 5.88 68.53
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 12 8.75 6.82 0.00 64.17
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 2.10 7.20 0.00 76.50
外科では、大腸の壁の一部がふくらんだ憩室に炎症をおこし、腹痛や圧痛等を発症する憩室性疾患が多くなっています。2番目に多い症例は、腹腔鏡下胆嚢摘出術を実施する胆嚢炎で、3番目は、全国的にも増加している結腸の悪性腫瘍等の疾患に対する検査入院が多くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 32 52.94 20.57 6.25 82.81
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 32 55.88 27.63 0.00 85.25
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼 手術あり 副傷病なし 26 12.88 4.37 0.00 53.35
整形外科では、高齢化に伴う骨粗しょう症の影響で発症する胸椎・腰椎の骨折、大腿骨近位部骨折が多く、3番目に手関節周辺の骨折が多くなっております。また、当院は地域包括ケア病棟を有しており、その病棟で在宅復帰を目標にしたリハビリを継続して行っているため、平均在院日数が全国値よりも長くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 7.69 7.44 0.00 74.56
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 11 8.45 5.83 0.00 60.27
泌尿器科で最も多い症例は、膀胱腫瘍に対する入院が多くなっています。2番目に、腎結石や尿管結石に対して、内視鏡を用いてレーザーで破砕・摘出を行う入院が多くなっております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 23 17 30 1 7
大腸癌 10 28 1 7
乳癌 23 1 7
肺癌 37 1 7
肝癌 32 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院での胃癌、大腸癌等に対する治療は、ガイドラインに基づいて、機能温存を心がけて手術を行い、腹腔鏡手術も取り入れています。乳癌に対してもガイドラインに基づき患者さんの希望に沿って、センチネルリンパ節生検、乳房温存術式などQOLを考慮した術式を選択します。また、胃癌、大腸癌、乳癌に対する標準的化学療法を行っており、医師、化学療法認定看護師、薬剤師によるチーム医療を行っています。また、当院は緩和ケア病棟を有しており、他院で癌の治療を受けられた方も受け入れているため、再発癌の入院が多くなっています。                  ※なお、10症例未満の区分については件数を計上していません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 6.69 51.77
中等症 42 15.79 81.40
重症
超重症
不明
市中肺炎とは、普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎の事をいいます。重症度は、年齢、脱水、動脈血酸素飽和度、意識障害、収縮期血圧を基準に沿って評価した合計が多いほど重症と判定します。当院の成人市中肺炎は重症度0から重症度1の患者さんが多くなっております。市中肺炎は高齢になるほど重症化し、在院日数も長くなる傾向があります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内
その他
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内
その他
I63$ 脳梗塞 3日以内
その他
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
その他
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
その他
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内
その他
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内
その他
当院は脳神経外科を標榜していないため、急性期の脳梗塞症例の入院は少なくなっております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 111 1.32 1.23 0.00 65.88
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 53 8.57 14.04 7.55 76.00
K654 内視鏡的消化管止血術 19 2.84 8.05 5.26 73.89
内科では大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ切除術を最も多く行っております。次いで、胆石や悪性疾患による閉塞性黄疸に対して行われる内視鏡的胆道ステント留置術が多くなっております。また、出血性潰瘍に対する緊急内視鏡による止血術が多くなっております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 63 0.00 1.06 0.00 68.37
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 25 2.72 7.20 0.00 63.36
K6335 鼠径ヘルニア手術 16 1.38 5.25 0.00 61.75
外科では大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ切除術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠径ヘルニアに対する手術の順に手術症例が多くなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕,大腿) 23 5.91 53.13 0.00 82.78
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 22 6.14 48.95 9.09 86.27
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指) 17 2.00 12.88 5.88 66.29
整形外科では、上腕骨、大腿骨の骨折観血的手術が最多であり、また鎖骨、膝蓋骨、手などの骨折観血的手術も多く行っています。この手術はギプス固定では治癒が難しい症例に対して施す手術になります。2番目は、大腿骨の骨頭を取り出し人工骨頭という人工物に入れ替える手術である人工骨頭挿入術が多くなっております。この手術は、大腿骨の骨頭付近の骨折に対して、折れた骨がずれたり、受傷してから時間が経った場合など骨をつなげることが難しい症例に対して施す手術になります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 16 1.00 5.69 0.00 74.56
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 12 3.50 5.08 0.00 60.67
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 10 1.50 6.70 0.00 78.20
泌尿器科では、膀胱悪性腫瘍手術が最多となっております。膀胱悪性腫瘍手術は、尿道から内視鏡を膀胱へ挿入して膀胱内の腫瘍を切除することと、切除した腫瘍の悪性度や深達度を評価します。2番目は、経尿道的尿路結石除去術が多くなっています。経尿道的尿路結石除去術は、尿道から内視鏡を挿入して直接結石を確認しながら、レーザーを用いて破砕する手術であります。次いで、前立腺肥大症に対して肥大した前立腺組織を尿道粘膜とともに切り取る経尿道的前立腺手術が多くなっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 17 0.51
異なる
こちらは手術・処置などの合併症および感染症の発生率を示したものになります。これらは重篤な疾患の合併症として発症しているケースが多いため、臨床上ゼロにはなりえないものですが、今後も少しでも改善できるように努めていきます。
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